カエンタケ|毒キノコ図鑑

カエンタケ|毒キノコ図鑑

カエンタケ(Hypocrea cornu-damae)は、日本国内で見ることが出来る毒キノコの中でも危険性が高いです。日本以外では、中国やジャワ島などでもカエンタケは見る事ができます。また、中央アメリカ(コスタリカ)からもきわめて近い種(あるいは同一種か?)が報告されている。日本国内では、カシノナガキクイムシによるブナ科の樹木の枯死例(いわゆる「ナラ枯れ」)が増えており、これに伴ってカエンタケの発生例も普遍的なものになりつつあるという指摘がある。ただし、カシノナガキクイムシが、カエンタケを直接的に伝播しているものではない分類は、ニクザキン目ニクザキン科ニクザキン属に属する子嚢菌の1種で幅広く分布しています。カエンタケに含まれる有毒成分は、毒性が強く有毒成分3グラム程度で人を殺すことができます。また、触れただけでも皮膚が炎症を起こしますので触れない様にしましょう。カエンタケは、ハイキングコースや公園などの小道の脇でも確認されています。もし、カエンタケを見つけたら触れずに市役所などに連絡して除去をお願いすることをお勧めします。

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カエンタケの概要

写真の通り、赤く枝分かれした子実体が炎にように見えることから「カエンタケ」と名づけられました。カエンタケの大きさは、3cmから10cm程度で大きく成長するとサンゴや手を広げた様な形にもみえます。専門的な言葉で説明するとカエンタケの子実体は、真性の子座の形態をとり、数本から10数本程度に分岐することが多く様々な形状になります。根元部分の太さは1~2cm程度であり、徐々に細くなり枝の部分の太さは5mm程度になります。稀に10cmを超える大きなカエンタケを見つける事もあります。カエンタケの表面は、平滑であり、根元は濃い赤色であるが先端になると徐々に白っぽくなります。乾燥させると黒ずんだ赤紫色になります。カエンタケの肉はやや硬くてもろく、乾けばコルク質となり、内部組織は白色で空気に触れても変色しない性質があります。基部以外のほぼ全面に、ほとんど完全に埋もれた状態で子嚢殻を生じるが、不稔部分との境界は不明瞭である。

カエンタケの写真

カエンタケの子供|毒キノコ図鑑 カエンタケの群生写真|毒キノコ図鑑
毒キノコの中でも危険なカエンタケ|毒キノコ図鑑 カエンタケの拡大写真|毒キノコ図鑑

カエンタケは、初夏から秋に見つけることができる

カエンタケは、梅雨の時期から秋にかけてブナ、コナラなどナラ類などの広葉樹林でみることができます。立ち枯れ木の周囲にカエンタケが発生する場合、子実体の基部は、地中に走る樹木の枯れた太い根につながっています。カエンタケは、腐朽した木材を栄養源とするのではなく、木材の中に生息している他の菌の菌糸から栄養を得ていると言われています。日本国内では幅広い地域に分布していますが海外でも中国、ジャワ、中南米のコスタリカでもカエンタケを見つけることが出来ます。

カエンタケに含まれる有毒成分と症状

カエンタケの有毒成分は、トリコテセン類(ロリジンE、ベルカリンJ(ムコノマイシンB)、サトラトキシンHおよびそのエステル類の計6種類が検出されており特に注意が必要です。カエンタケからはサトラトキシンHのみが得られたが、菌を培養するとロリジンEやベルカリンなども生成するようになる。これらの毒素は人に対し重篤な症状を引き起こし、動物や魚、植物に対しても悪影響を及ぼす。このトリコテセン類はかつてベトナム戦争に使用された科学兵器に酷似しており、同様の毒成分を含むキノコは他に確認されていない。

カエンタケの有毒物質 サトラトキシンH

カエンタケによる症状と治療

カエンタケの有毒成分は、トリコテセン類(ロリジンE、ベルカリンJ(ムコノマイシンB)、サトラトキシンHおよびカエンタケの有毒成分は、非常に毒性が強いのが特徴です。誤ってカエンタケを食べると概ね30分程度で、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器系の症状があらわれ、さらに症状は悪化し悪寒、頭痛、手足の痺れ、喉の渇きなどの神経症状もあらわれます。そして、肝臓、腎臓、呼吸器、循環器、脳細胞にもダメージを与え最悪の場合死に至ることもあります。また、カエンタケは、食べなくても触れただけでも皮膚炎を引き起こしますので触らない様にしましょう。カエンタケに含まれる有毒成分による致死量は3グラムと言われ非常に毒性が強いです。もし、カエンタケを誤って食べてしまった場合は、少しでも早く吐かせる様にしてください。ぬるま湯を飲ませ、のどに指を突っ込むことで吐くことができ、胃の内容物が無くなるまで複数回繰り返し行ってください。 また、カエンタケに触れてしまった場合は、石けんを使用して、充分に洗浄してください。誤って食べてしまったときとは異なり、触れてから4時間から5時間後でも効果が期待できます。付近に石けんがない場合は、応急処置としてお茶や水でよく洗い流しておき、後ほど石けんを使用して充分に洗浄してください。石けんの使えない目や口の中のような部位については、流水で充分洗浄してください。 いずれの場合においても、応急処置後は速やかに行い医師の診察を受けてください。

カエンタケによる皮膚炎

カエンタケの歴史は古い

文政年間(1818年から1830年)の植物図鑑『本草図譜』にカエンタケについて「大毒ありといへり」との記述がある。古くからカエンタケによる中毒・死亡事故が発生していたことが文献からわかります。しかしながら元々発生量が少ないこともあり大半のキノコ図鑑で食毒不明もしくは食不適として扱われていた。そのため本種の毒性が外部に知られることはなく、極めて強い猛毒であることが知られるようになったのは近年のことである。

カエンタケなど毒キノコによる食中毒防止のポイント

カエンタケを誤って食べて食中毒にならない為には、食べる事ができるか判断する知識が必要になります。その為、見た事ない、自信がないものは、毒キノコの可能性が高く採取しない様にしましょう。また、昔から言われている見分け方(迷信)には、間違いも多いですので注意する必要があります。カエンタケなど毒キノコの食中毒予防の原則は、自信がなかったり知らない種類は、採らない! 食べない! 売らない! 人にあげない!の点が非常に重要です。毎年、素人の方が採取した毒キノコで多くの方で病院に入院し治療しています。専門的な知識が無い素人の方による採取は絶対にやめましょう。詳しくは「毒キノコの種類と有害成分による影響」で説明しています。

  • 自信がなかったり、種類がわからない場合は、毒キノコだと思い採取しない様にしましょう。
  • 採取する場合には、近くに自生している毒キノコを誤って一緒に採取しない様にしましょう。
  • 昔から言われている食べられる毒キノコの見極め方「言い伝え」を信じない。
  • 図鑑などの情報だけで毒キノコの判定をしない。
  • 食べる事が出来る種類でも生の状態や大量に食べると食中毒になるので注意しましょう。

カエンタケなど毒キノコによる食中毒は、有毒成分が強く短時間で症状があらわれるのが特徴です。自ら採取したキノコや山菜を食べて数時間で嘔吐などの症状が現れた場合には、毒キノコによる食中毒を疑いましょう。有毒成分によって重症化する事もありますので、医師による診察を受けることをお勧めします。医師の診察の際に食事したキノコがありましたら持参すると治療の参考になります。下痢や嘔吐の症状は、毒キノコ以外にも一般的な食中毒でも同様な症状があります。細菌やウイルスによる食中毒が気になる方は「食中毒(Food Poisoning)」を参照してください。

誤って食べると死亡することも注意したい毒キノコの種類と症状

日本国内で発生する種類を一覧形式にまとめました。それ以外の種類についても右の一覧から選んでみてください。毒キノコの名称をクリックすると生息場所、特徴、毒の種類、もし誤って食べたときに現れる症状などをまとめてあります。

毒キノコの名称 有毒成分 主な症状
症状が出るまでの時間
毒キノコの特徴
カエンタケ|毒キノコカエンタケ トリコテセン類(ロリジンE、ベルカリンJ(ムコノマイシンB)、サトラトキシンHおよびそのエステル類の計6種類 誤って食べると概ね30分程度で、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器系の症状があらわれ、さらに症状は悪化し悪寒、頭痛、手足の痺れ、喉の渇きなどの神経症状もあらわれます。 日本国内で見ることが出来る毒キノコの中でも危険性が高いです。毒性が強く有毒成分3グラム程度で人を殺すことができます。また、触れただけでも皮膚が炎症を起こしますので触れない様にしましょう。カエンタケは、ハイキングコースや公園などの小道の脇でも確認されています。もし、カエンタケを見つけたら触れずに市役所などに連絡してましょう。
オオシロカラカサタケ|毒キノコ オオシロカラカサタケ タンパク性毒成分であるモリブドフィリシン、ステロイド類を含む。また、毒成分ではないが、レピオチンA、Bという化合物を含んでいる。 誤って食べると1地時間から3時間程度で腹痛、下痢、嘔吐などの症状があらわれ、さらに発熱、悪寒、頭痛、痙攣などの症状を引き起こすことがあります。毒素は非常に強く症状も激しいことがありますので注意が必要です。  オオシロカラカサタケは、熱帯地方のキノコであり、そもそも日本には存在しないキノコだったと考えられます。以前は、日本国内でも沖縄県や小笠原地方でしか見る事ができませんでした。現在、オオシロカラカサタケは、西日本、東海地方で春から秋にかけてみられる毒キノコです。
 アンズタケ|毒キノコアンズタケ アマトキシンの量は微量であるが猛毒であるため生食で大量に摂取すると中毒になる可能性もあり避けたほうがよい。 誤って食べると発症するまでの潜伏期が6~24 時間と長いため、治療が遅 れたり、また、数日後に肝障害が発現するため重篤になるケースが多いです。日本ででの中毒の発生件数は少ないが、きのこによる死亡例の9割はアマ トキシン群のきのこによるものである。 アンズタケは、夏から秋のはじめにかけてモミ、ツガ類の林内や広葉樹の林内地上に群生する毒キノコ。 正しく処理すれば、食用になり、味にもクセがない。例えば、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉料理の付け合せやカレーの具材として使われる。鹿肉と一緒に食べる伝統料理もある。
 ベニテングタケ|毒キノコベニテングタケ イボテン酸は、強いうま味成分でもあります。そのた、ベニテングタケを塩漬けにして食べている地域もあります。乾燥したベニテングタケは、毒性が強くなるので食べない様にしましょう。 誤って食べると比較的短時間(30分から90分)で下痢、嘔吐、眠気、発汗、さらに、健忘、幻覚、ハイテンションなどの症状があらわれ治療する必要があります。多くの場合は、重症化する事もなく1日程度で回復します。 ベニテングタケは非常に可愛らしい赤色に白い斑点があるのが特徴です。しかし、その派手さから毒キノコだと注意されているので誤食による食中毒は、多くは発生していません。夏から秋にかけて抗原のマツなど針葉樹や白樺など広葉樹の地上に発生します。
 ドクツルタケ|毒キノコドクツルタケ ドクツルタケの有毒成分は環状ペプチドで、アマトキシン類(α-アマニチンなど)、ファロトキシン類(ファロイジンなど)、ビロトキシン類、ジヒドロキシグルタミン酸などがある 誤って食べると6~24時間後にコレラ様の症状(おう吐、下痢、腹痛)が現れるが1日でおさまり,その後24~72時間で内臓の細胞が破壊され肝臓肥大,黄疸,胃腸の出血などの肝臓,腎臓機能障害の症状が現れ,死亡する場合がある。催吐,胃洗浄,活性炭投与など適切な処置が必要である。 ヨーロッパではドクツルタケを「死の天使」の異名で恐れられている。初夏から秋にかけて針葉樹林,広葉樹林の地上で見る事ができます。 野生のマッシュルームと見まちがえやすく、海外では食中毒の件数は多い。日本ではあまり食べる人もいないが、 数年に一度は食中毒があり数名が命を落としています。
 テングタケ|毒キノコテングタケ イボテン酸、ムシモール、スチゾロビン酸、ムスカリン類、アマトキシン類,アリルグリシン、プロパルギルグリシン150などがあります。 誤って食べると30分程で嘔吐、下痢、腹痛など胃腸消化器の中毒症状が現れる。そのほかに,神経系の中毒症状,縮瞳,発汗,めまい,痙攣などで,呼吸困難などの症状になり,1日程度で回復するが,古くは死亡例もあります。 初夏から秋にかけて広葉樹林の地上に発生します。(針葉樹に生えるのはイボテングタケ)。見た目の特徴は、初め半球形で傘が開き、成長すると傘が開き平らになります。テングタケの肉は白色でもろく、味やニオイは特にありません。他にも似た種類がありますので注意しましょう。
 ツキヨタケ|毒キノコツキヨタケ ツキヨタケに含まれる有毒成分には、イルジンS、イルジンM、ネオイルジンなどがある。 誤って食べると食後30分~1時間程で嘔吐,下痢,腹痛などの消化器系の食中毒の症状が現れる。また、幻覚痙攣を伴う場合もあるが,翌日から10日程度で回復する。症状がひどい場合は、痙攣、脱水、アシドーシスショックなどを起こすこともある。 秋にブナの枯れ木上に重なるように群生する毒キノコです。シイタケに色も形もそっくりであるが、誤食するとおう吐と下痢で腰もたたなくなるという。採ってからあまり時間がたたないうちであれば暗闇の中ではひだが青白く光る性質があり、もし不安だったら、きのこを持って暗い所へ入ればわかる。
クロハナビラタケ|毒キノコクロハナビラタケ 詳しいことは、わかっていない。 誤って食べると下痢や嘔吐など消化器の症状があらわれます。キクラゲの仲間と思い込んで食べない様に注意しましょう。 カサの部分が黒くキクラゲの仲間にも見えますが違います。初夏から秋に広葉樹倒木上に発生。多数の裂片の集合体で大きさは約8cmの毒キノコです。これを食べる人はいないと思うけれど、有毒で消化器系の中毒を起こすらしい。
 クサウラベニタケ  溶血性タンパク,コリン,ムスカリン,ムスカリジンなど
コリン、ムスカリジンは消化系に作用すると言われる。。ムスカリンは副交感神経を興奮させることで縮瞳、発汗などを示す毒素である。
誤って食べると10分から数時間で症状が現れ、神経系および消化器系の食中毒を起こす。 夏から秋にかけて、アカマツ混生林下や広葉樹林下で見る事ができる毒キノコです。毒性はそれほど強くないので、 命にかかわるような事にはならないが食中毒をした事のある人の話では、とにかく苦しいらしい。
オオワライタケ 不明 めまい、幻覚、興奮(症状は30分~3時間 早めに症状が現れる)  
カキシメジ ウスタリン酸 おう吐、下痢など(症状は30分~3時間 早めに症状が現れる) 似ているキノコは、ムチャナメツムタケ、マツタケモドキ
シャグマアミガサタケ モノメチルヒドラジン おう吐、下痢、死亡(症状は6時間経過してから症状が現れる) 似ているキノコは、ムアミガサタケ
シロタマゴテングタケ アマトキシン類、ファロトキシン類、ビロトキシン類 おう吐、下痢、腎臓や肝臓の障害、死亡(6~10時間経過してから症状が現れる) 似ているキノコは、ムシロオオハラタケ、シロマツタケモドキ
ドクササコ アクロメリン類A,B及びC、クリチジンなど 1ヶ月以上手足の先に激痛(3日~7日と非常に遅く症状が現れる) 似ているキノコは、ムカヤタケ
ドクベニタケ アマトキシン類、ファロトキシン類、ビロトキシン類 おう吐、下痢、腎臓や肝臓の障害、死亡(6~10時間経過してから症状が現れる) 似ているキノコは、ムシロオオハラタケ、シロマツタケモドキ
ニガクリタケ ファシクロールE おう吐、下痢、けいれん、死亡(30分~3時間 早めに症状が現れる) 似ているキノコは、ムクリタケ、キナメツムタケ
ハナホウキタケ 不明 おう吐、腹痛、下痢など(30分~3時間 早めに症状が現れる) 似ているキノコは、ムホウキタケ
ヒトヨタケ コプリン (酒を飲むと)おう吐、めまい(20分~2時間 早めに症状が現れる)  

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