カエンタケ

カエンタケ(Hypocrea cornu-damae)|毒キノコ

カエンタケ(Hypocrea cornu-damae)は、日本国内で見ることが出来る毒キノコの中でも危険性が高いです。分類は、ニクザキン目ニクザキン科ニクザキン属に属する子嚢菌の1種で幅広く分布しています。カエンタケに含まれる有毒成分は、毒性が強く有毒成分3グラム程度で人を殺すことができます。また、触れただけでも皮膚が炎症を起こしますので触れない様にしましょう。カエンタケは、ハイキングコースや公園などの小道の脇でも確認されています。もし、見つけたら触れずに市役所などに連絡して除去をお願いすることをお勧めします。

カエンタケの名前は、形の特徴から名づけられた

写真の通り、赤く枝分かれした子実体が炎にように見えることから「カエンタケ」と名づけられました。大きさは、3cmから10cm程度で大きく成長するとサンゴや手を広げた様な形にもみえます。専門的な言葉で説明するとカエンタケの子実体は、真性の子座の形態をとり、数本から10数本程度に分岐することが多く様々な形状になります。根元部分の太さは1~2cm程度であり、徐々に細くなり枝の部分の太さは5mm程度になります。稀に10cmを超える大きなカエンタケを見つける事もあります。カエンタケの表面は、平滑であり、根元は濃い赤色であるが先端になると徐々に白っぽくなります。乾燥させると黒ずんだ赤紫色になります。カエンタケの肉はやや硬くてもろく、乾けばコルク質となり、内部組織は白色で空気に触れても変色しない性質があります。基部以外のほぼ全面に、ほとんど完全に埋もれた状態で子嚢殻を生じるが、不稔部分との境界は不明瞭である。

カエンタケの写真

カエンタケの子供 カエンタケの群生写真
毒キノコの中でも危険なカエンタケ カエンタケの拡大写真

カエンタケは、初夏から秋に見つけることができる

カエンタケは、梅雨の時期から秋にかけてブナ、コナラなどナラ類などの広葉樹林でみることができます。立ち枯れ木の周囲にカエンタケが発生する場合、子実体の基部は、地中に走る樹木の枯れた太い根につながっています。カエンタケは、腐朽した木材を栄養源とするのではなく、木材の中に生息している他の菌の菌糸から栄養を得ていると言われています。日本国内では幅広い地域に分布していますが海外でも中国、ジャワ、中南米のコスタリカでもカエンタケを見つけることが出来ます。

カエンタケに含まれる有毒成分と症状

カエンタケの有毒成分は、トリコテセン類(ロリジンE、ベルカリンJ(ムコノマイシンB)、サトラトキシンHおよびそのエステル類の計6種類が検出されており特に注意が必要です。カエンタケの有毒成分は、非常に毒性が強いのが特徴です。誤ってカエンタケを食べると概ね30分程度で、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器系の症状があらわれ、さらに症状は悪化し悪寒、頭痛、手足の痺れ、喉の渇きなどの神経症状もあらわれます。そして、肝臓、腎臓、呼吸器、循環器、脳細胞にもダメージを与え最悪の場合死に至ることもあります。また、カエンタケは、食べなくても触れただけでも皮膚炎を引き起こしますので触らない様にしましょう。カエンタケに含まれる有毒成分による致死量は3グラムと言われ非常に毒性が強いです。

もし、カエンタケを誤って食べてしまった場合は、少しでも早く吐かせる様にしてください。ぬるま湯を飲ませ、のどに指を突っ込むことで吐くことができ、胃の内容物が無くなるまで複数回繰り返し行ってください。 また、カエンタケに触れてしまった場合は、石けんを使用して、充分に洗浄してください。誤って食べてしまったときとは異なり、触れてから4時間から5時間後でも効果が期待できます。付近に石けんがない場合は、応急処置としてお茶や水でよく洗い流しておき、後ほど石けんを使用して充分に洗浄してください。石けんの使えない目や口の中のような部位については、流水で充分洗浄してください。 いずれの場合においても、応急処置後は速やかに行い医師の診察を受けてください。

カエンタケの歴史は古い

文政年間(1818年から1830年)の植物図鑑『本草図譜』にカエンタケについて「大毒ありといへり」との記述がある。古くからカエンタケによる中毒・死亡事故が発生していたことが文献からわかります。

カエンタケなど毒キノコによる食中毒防止のポイント

カエンタケを誤って食べて食中毒にならない為には、食べる事ができるか判断する知識が必要になります。その為、見た事ない、自信がないものは、毒キノコの可能性が高く採取しない様にしましょう。また、昔から言われている見分け方(迷信)には、間違いも多いですので注意する必要があります。カエンタケなど毒キノコの食中毒予防の原則は、自信がなかったり知らない種類は、採らない! 食べない! 売らない! 人にあげない!の点が非常に重要です。毎年、素人の方が採取した毒キノコで多くの方で病院に入院し治療しています。専門的な知識が無い素人の方による採取は絶対にやめましょう。詳しくは「毒キノコの種類と有害成分による影響」で説明しています。

  • 自信がなかったり、種類がわからない場合は、毒キノコだと思い採取しない様にしましょう。
  • 採取する場合には、近くに自生している毒キノコを誤って一緒に採取しない様にしましょう。
  • 昔から言われている食べられる毒キノコの見極め方「言い伝え」を信じない。
  • 図鑑などの情報だけで毒キノコの判定をしない。
  • 食べる事が出来る種類でも生の状態や大量に食べると食中毒になるので注意しましょう。

カエンタケなど毒キノコによる食中毒は、有毒成分が強く短時間で症状があらわれるのが特徴です。自ら採取したキノコや山菜を食べて数時間で嘔吐などの症状が現れた場合には、毒キノコによる食中毒を疑いましょう。有毒成分によって重症化する事もありますので、医師による診察を受けることをお勧めします。医師の診察の際に食事したキノコがありましたら持参すると治療の参考になります。下痢や嘔吐の症状は、毒キノコ以外にも一般的な食中毒でも同様な症状があります。細菌やウイルスによる食中毒が気になる方は「食中毒(Food Poisoning)」を参照してください。

誤って食べると死亡することも注意したい毒キノコの種類と症状

カエンタケなど日本国内で見つけることが出来る毒キノコ中でも危険な種類を一覧形式にまとめました。これらの種類を誤って食べると死亡する事もあります。その為、ハイキングなどされる方は、誤って採ったり、食べたりしない様にしましょう。それ以外の種類についても右の一覧から詳細を確認でき、生息場所、特徴、毒の種類、もし誤って食べたときに現れる症状をまとめてあります。